「なぜ」の飛び交う授業から生まれる「議論のルール」(下野)

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 こんにちは。7期生の下野です。

 私の朝は、大好きな珈琲を飲みながら新聞を読むことから始まります。3ヶ月前に始めた教育問題に関する新聞記事のスクラップや、天声人語(我が家は朝日新聞を取っています)の書き写しノートも段々と冊数が増え、厚みも増しているのを見ると達成感が溢れ、読み返し復習しながら、これからも続けていきたいと思っています。

 さて、毎朝新聞を読んでいるとまず目にするのは1面の天声人語です。1面は広げずに読むことができるため、サッと家を出なければならない時は、天声人語だけ読んでから家出るなんてこともあります(笑)

 そんな読みやすい箇所にある天声人語で、今回は私が「主体的で対話的な深い学び」の本質に気付かされた記事を紹介したいと思います。

 2020年10月1日の天声人語です。
 論理力に重きを置くフィンランドの教育で、求められるのはごく真っ当なことだ。元外交官の北川達夫さんが書いた『図解フィンランド・メソッド入門』によると、小学校では「なぜ」が連発され、意見には理由をつけることが徹底されている。子どもたちが決めた「議論のルール」も紹介されており「他人の発言をさえぎらない」「議論が台無しなるようなことを言わない」などが並ぶ。

 2018年のPISA調査において、フィンランドは「読解力」7位(日本15位)、「科学的リテラシー」6位(日本5位)といった結果が出ています。「論理的思考」を重んじた教育は、「読解力」は勿論のこと、科学的な探求心を測る「科学的リテラシー」にも繋がっていることが分かります。「なぜ」の及ぼす力は強いのです。子ども達の持つ「なぜ」が「論理的思考」を築き、「読解力」や「科学的リテラシー」を育むのでしょう。そして、「論理的思考」「科学リテラシー」は「主体的な学び」を構成する主な要素です。

 また、「なぜ」が生じる場所には、必ず「議論」が生じます。無論、教師は「議論」が生じる学級経営をしなければなりません。では、「議論」が互いの学びを深め且つ円滑に進むためにはどうしたら良いのでしょうか。

 上記の天声人語では、子どもたちが決めた「議論のルール」について記されています。ここで、重要なことは子どもたちが決めたことです。たしかに、この天声人語を元に「議論のルール」を教師が設定すれば子どもたちはスムーズに議論ができるかもしれません。しかし、それでは「議論」の意味がありません。真っ新の何もルールのない状態において「議論」をしていく中で、「こうした方がまとまりやすいかな?」「人の言葉をしっかり聞いた方がいいな」といった気持ちが生まれ、「議論のルール」を決めるための多くの「議論」が子ども達の学びへと繋がると私は考えます。

 「主体的で対話的な深い学び」が求められる時代です。「主体的な深い学び」は、「なぜ」から生まれ、「対話的な深い学び」は、多くの「議論」から深まるでしょう。これが学びの本質だと私は考えます。

 教師になった時、子ども達の小さな「なぜ」に耳を傾け、「なぜ」が飛び交う授業を、そして、多くの議論から「議論のルール」を子ども達自身で決めていくことのできる学級を目指したいと思います。(下野)
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