最新更新日:2023/04/01
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謎の物体Xの正体判明

 台風も去り、朝夕涼しくなりましたね。ところで10月5日の台風で西陵青春坂にある木から落ちてしまった謎の物体Xの正体がわかりました。調べたところによるとカリンの木から落ちた果実のようです。
 カリンはバラ科の一種で落葉高木です。原産は中国東部で日本への伝来時期は不明です。花期は3月〜5月頃で5枚の花弁からなる白やピンク色の花を咲かせます。カリンは花や木の姿が美しい樹木です。その美しさから江戸時代には盛んに栽培され庭木として多くの家に植えられていたようです。また、実を付けた姿には花とはひと味違った楽しさもあります。
 台風で落ちてしまったカリンの果実はまだ未成熟でごつごつとして緑色をしてますが、成熟した果実は楕円形をしており黄色で大型、トリテルペン化合物のより芳しい香りを放ち収穫した果実を部屋に置くと部屋中が香りで満たされるほどです。
 カリンの果実に含まれる成分は咳や痰などの喉の炎症に効果があるとされ、のど飴に配合されていることが多いようです。渋く石細胞が多く堅いため生食には適さず、砂糖漬けや果実酒に加工されています。のどが痛くなったりしたら、西陵青春坂のカリンの木を思い出してのど飴をなめてみてはどうでしょうか。きっと喉の炎症を抑えてくれることでしょう。(理科 片山 昭子)

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