３８期卒業生の猪山空（壱岐中出身）さんが、宝塚音楽学校に合格されました。４０名という枠に全国から受験者があり倍率は２７倍近いということです。猪山さんは４回目の最後の挑戦で見事合格されました。入学を控えた猪山さんにメッセージをいただきました。２年後の初舞台を心待ちにしています！　


　この度、宝塚音楽学校に合格いたしました。今月１６日に入学をさせていただきます。宝塚音楽学校の受験は、一次試験から三次試験まであり、バレエ、声楽、jazzダンスなどの実技試験の他に面接や健康診断、身体測定もあります。

　受検を通してたくさんのことを学びましたが、特に３つのことを学びました。一つめは「今回合格することができたのは、私一人の力ではなくたくさんの方々に支えていただいたから」ということです。いつもそばで優しく時に厳しく声をかけてくれたのは家族です。父や母は夕方から夜遅くまで車で習い事の送迎をしてくれたり、よりよい体型を維持するための食事制限に協力してくれました。姉や妹は私が落ち込んでいるときにいつも側で話を聞いてくれました。習い事の先生方はいつも熱心に指導してくださり、より有意義な時間になるようレッスンの内容を工夫してくださいました。また福岡西陵高校に行くと、先生方や友達がいつも応援してくださったので、レッスンでどんなに疲れ、落ち込んでいても、「頑張ろう！」と元気を取り戻すことができました。たくさんの方々に支えていただいて本当に幸せ者だなといつも思っていました。二つめは「原点に返る」ということです。レッスンでうまくいかず何度も悩むことがありました。そんなとき、「何のためにレッスンをしているのか」「どうして宝塚に入りたいと思ったのか」を原点に帰り考え直しました。そうすると「自分の好きなことだから」「自分が選んだ道なのだから」と思い直すことができ、どんなに大きな壁も乗り越えることができました。三つめは「努力は裏切らない」ということです。私は何事もすぐに結果がついてくるタイプではなく、長い時間をかけてやっと結果がついてくるタイプです。そのため何度もくじけたり「もうダメかな…」と思ったりしました。しかし最後まであきらめずこつこつと努力してやっと合格することができました。努力は絶対に裏切らないので「もうダメかな」と思ったところからもう一歩諦めずに頑張ることが大切だと思います。

　受検を通して本当にたくさんのことを学びました。そして宝塚劇団の一員となり大劇場の舞台に立つためのスタート地点にやっとたどり着きました。大好きなバレエや歌などの芸事をこれからもずっと続けることができると思うと本当に嬉しいです。これから宝塚音楽学校での二年間、どんな努力もし続け、今の気持ちを忘れず精一杯頑張ります。二年後、初舞台に立たせていただくことになったときにはぜひ観に来てください。