こんな教師になれたら

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有田先生の本の中で何度か出会った話。

いい話なので皆さんに紹介。知っている方もおられると思いますが。

「お釈迦さまの指」

お釈迦さまが、天から人間の世界を見ていると、一人の男が荷車を引いて歩いているのが見えた。

汗をふきふき荷車を引いているうちに、ぬかるみにはまってしまった。さあ、困った。男は一生懸命、引いたり、押したりするが、荷車はびくともしない。男は仕方なく、道の横に座って、誰か人が通りかかるのを待つことにした。

ところが、運悪く、いくら待っても誰一人通らない。早く行かないと、日が暮れてしまう。男は焦った。他人に助けてもらおうと思ってもだめだ、自分の力で何とかしなくちゃと、男は思った。

お釈迦さまは、男が人に頼らず、自分の力で何とかぬかるみから荷車を引き出そうと決心したのを知ると、見えない指で、荷車をちょっと押してあげた。

すると荷車は、何事もなかったように、カラカラと音を立てて動き出した。男は、お釈迦さまが押してくれたなど全く気がつかない。自分の力で引き出したと思っている。

もし、お釈迦さまが、「わたしが押してあげたのですよ」と言えば、男はお礼を言うだろう。しかし、男は次にこういう困ったことが起きた時、「お釈迦さまが助けてくれるのではないか」と、他人に頼る心がおきるだろう。だからこそ、お釈迦さまは、黙って、見えない指で押してあげたのである。

教師と児童・生徒に当てはめてみてください。(中田昂)

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