玉置先生の飛び込み授業からの学び(柴山)

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 8期生の柴山です。4月20日、一宮市立瀬部小学校、4年生、5時間目算数授業での玉置先生飛び込み授業の記事です。※授業記録につきましては、玉置先生の「2023年4月20日仕事日記」を是非お読みください。

 授業前の学級へのあいさつでは、「名前を覚えてね。一回しか言わないよ。先生の名前は玉置崇です」と紹介し、児童に復唱させていました。「先生」とつけた人は社会性があることを伝え、もう一度復唱させていました。短い時間のあいさつでさえも、子どもの雰囲気をつかむ機会にしている玉置先生は流石だなと思いました。

 その後、どんなクラスか子どもに問いかけたり、子どもの様子をネタに、そこについての軽い問いを何人かに聞いたりしていました。スムーズに授業の時間につなげており、やはり落語の先生ならではの展開だと思いました。

〇授業は間とテンポ
 挙手指名時、一度に何人かまとめて子どもを指名していました。「全員同じような意見でもいいからいってみよう。」と伝え、連続して発表させることで授業の流れを止めることなく進めていました。子どもの発表の時間を多くとることにもつながっていました。
一人ずつ挙手指名して、「他にはありますか?」と毎回流れを止めてしまうよりも、こちらの方がスムーズだと感じたので、私も実践していきたいです。

〇子どもの振り返りを活かした導入
 冒頭では児童を意図的に指名し、学びの天気に入力した前時の振り返りを全体に共有させていました。ただ児童が振り返りを発表して終わるだけでなく、「足したり引いたり」がキーワードであることを教師が価値付けて今回の授業の方向性を示していました。
 周りの子どもが、ただ人の振り返りを聞いて終わってしまうだけでなく、他の子が振り返りにコメントする機会をつくっていたことも印象的でした。学んだことを自分の言葉で表現し、人に伝える振り返りの大切さを学級全体で実感できる場面だと思いました。

〇子どものつぶやきを拾う
 つぶやきといっても、声に出された言葉だけを拾うだけではありませんでした。授業中、表情や動きでも、子どもは表現していることを実感しました。わからなそうな表情をした子どもにも、「今難しい顔をしたね。授業は正直でいい。」と声をかけ、わからないことを正直に表現する大切さを伝えていました。

 発言者の内容が全体に伝わっていなさそうな雰囲気の時は、一度ストップを入れ「彼が言っていることわかるって人?」と投げかけたり、手で角の測り方を表現している子に「みんなに見せてあげて」と声をかけたりすることで、子どものつぶやきを全体に共有していました。つぶやきをきっかけに、隣同士で相談する機会も作っていました。

〇はじめに子どもありきの授業展開
 最初の発問では6人指名し、全員が黒板を使って考え方を共有していました。「180°+何°」の考え方を使って欲しい場面でしたが、最初の二人は「360°−何°」の考え方を使っていました。授業で自分の想定とは違うやり方が出てきても、子どもの反応に応じて自然な流れで授業を進めていました。

 いつでも意図的指名できるよう、黒板に「180°+何°」のやり方で解いた子の名前を板書していたことも印象的でした。子どもの言葉や考えから授業を進める、「はじめに子どもありき」を実感しました。 

 初めて顔を合わせる子ども相手に、玉置先生はどのように授業をしていくか、とてもワクワクしながら授業を参観させていただきました。本当に貴重な体験をさせていただきました。玉置先生、瀬部小学校の皆様、本当にありがとうございました。

 今回、僕が言語化できていない部分でもすごい技術が多く詰まっていたと思います。今回の授業は、映像化して残るそうです。何年後かにまたこの授業を見て、今回気づけなかった部分にも気づいていけるように自分をアップデートしたいです。(ちなみに、授業中玉置先生がほめた回数を数えていましたが、ほめ言葉の数が多すぎて途中で数えることをあきらめてしまいました。)(柴山)
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