北風と太陽 (吉田)
寒い季節となり、北風がより一層冷たくなってきた。
この季節になると、私は小学校5年生の担任の言葉を思い出す。 「太陽作戦と北風作戦」である。 物語「北風と太陽」ではコートを脱がせるために異なる方法を用いて、コートを脱がせた。先生はこの物語は人に物事を伝える場面と同じだと教えてくださった。 例えばトイレの掲示である。 「いつもきれいに使ってくれてありがとう」と「きれいに使いなさい」は同じことを伝えようとしているが印象が違う。 伝え方が大切なのだと… そんなある日のことだった。 私は塾で働いている。ある生徒の宿題にこんな言葉が書いてあった。 「時間がなくて、宿題ができませんでした。」 何も書いてないよりいいが、もう3週連続だ。(たぶん、理由も違うだろう…) 前のページには、ほかの先生から「宿題をやってくること!!」と連続して書いてあった。 私は切り口を変え、その子の性格も考慮し、書いた。 「伝えてくれてありがとう。大変だったんだね。先生はそんな中で少しでもやれる人は、もっとすごいと思いますよ。そして、あなたの力になると思います。先生と一緒に頑張っていこう」 伝え方の違いである。 そのノートを渡してから3週間連続宿題をやってきた。そして何より笑顔が増えた。 先生の教えは生涯ものである。(吉田) |
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