最新更新日:2024/06/27
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幕末の「エッセンシャル・ワーカー」〜緒方洪庵

太田中学校の皆さんへ(第4回)

4回目の発信となりました。

今回の新型コロナウイルスが大流行する中で、これまで耳にすることのなかったカタカナ言葉がたくさん出てくるようになりました。「クラスター」「オーバーシュート」「ロックダウン」「パンデミック」「ソーシャルディスタンス」などがそれです。そのような中で、最近、注目されている言葉に、「エッセンシャル・ワーカー」があります。

患者の治療にあたる医師や看護師、スーパーのレジ係、公共交通機関の職員など、「社会を支える必要不可欠な仕事で、こうした仕事を担う人たち」のことを海外ではエッセンシャル・ワーカーと呼ぶのだそうです。現在、新型コロナウイルスから私たちを守るために働いている様々な職種の方々は、皆これに当たります。

特に、新型コロナウイルスの感染者が日に日に増加する中で、ご自身も感染のリスクと隣り合わせの状況で、懸命に診療や治療に当たっている医師や看護師をはじめとする医療関係者の皆さん、多くの体調不良者からの電話相談等に日々追われている保健所の皆さんなどは、まさに、エッセンシャル・ワーカーでしょう。その他にも、まだまだ各方面で頑張っているエッセンシャル・ワーカーはたくさんいます。今、改めて、このような皆さんの頑張りやご努力に感謝したいと思います。

休校期間中の私たちが、エッセンシャル・ワーカーの皆さんに協力できることがあるとしたら、それは、新型コロナウイルスに絶対に感染しないことです。感染する人が少しでも減ることが、ぎりぎりの状況で頑張ってくださっているエッセンシャル・ワーカーの皆さんの負担を減らすことにつながります。連休中も不要不急の外出をしないで、家で過ごし、感染しないようにしましょう。

さて、江戸時代・幕末の蘭学者、医者、教育者である「緒方洪庵(おがたこうあん)」(1810〜1863)は、1838年に大阪に蘭学塾「適々斎塾(適塾・てきじゅく)」を開いて、若い人たちの教育に当たった人として有名ですが、緒方洪庵も今の時代で言えば、エッセンシャル・ワーカーでした。

1858年(安政5年)に長崎で発生したコレラが、大阪、江戸にまで広がり、日本国内でたいへん流行しました。江戸では数万人〜数十万人の方が亡くなったそうです。世界中で有効な治療法が全くなかったこの時に、自身も感染の危険がある中、昼は患者の診察をしながら、夜は寝る間も惜しんで、有効なコレラの治療法を集めたマニュアル(「虎狼痢治準」・ころりちじゅん)を作るなど、コレラに苦しむ人のことを思い、懸命にコレラと闘いました。

洪庵先生の教えを受けた弟子の医師たちも、先生に励まされながら各地で頑張ったそうですが、多くの弟子が亡くなられたそうです。洪庵先生だけでなく、その弟子の人たちもエッセンシャル・ワーカーでした。

現在の厳しい状況の中で、私たちを守るために頑張ってくださっているエッセンシャル・ワーカーの皆さんに感謝しながら、私たちは私たちにできること、やらなければならないことをしっかりと行いましょう。

私たち太田中の教師も、太田中の皆さんのためにできることを考え、日々工夫するエッセンシャル・ワーカーでありたいと思っています。

太田中学校長  今井 東

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