最新更新日:2024/07/04
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『論語』 〜孔子の言葉を実践する

太田中学校の皆さんへ(第10回)

◆「遠き慮り無ければ、必ず近き憂い有り」という言葉があります。「とおきおもんぱかりなければ、かならずちかきうれいあり」と読みます。意味としては、「遠い未来のことまで考えて配慮しておかないと、必ず近いうちに憂慮(ゆうりょ=とても心配すること)が起こりますよ」ということです。逆に言えば、「ずっと先のことまで考えてしっかり準備しておくと、安心ですよ」ということになります。

★もちろん、今回の新型コロナウイルスのように、こんなに私たちの生活に大きな影響を与えるものすごい出来事が起こることなど、少し前まではだれも予想していなかったと思います。しかし(新型コロナウイルスのことは別にして)、何事においても、できる限り先のことを予測して(何が起こってもいいように)心の準備や頭の準備、ものの準備などをしておくことは、もしかしたら高い割合でトラブルを防いだり、また、トラブルが起こった場合に被害を最小限におさえることにつながるかもしれません。

★起こらないでほしいことですが、もし新型コロナウイルスの「収束」(ある程度おさまった)後に、再び流行したり、また学校が休みになったりということがあるかもしれません。もし第二の流行の波が来たら、再開した学校がまた休みになったら、ということを考えて、今回のことを教訓(きょうくん)に、今のうちからどんな準備ができるか、どんな準備をしておかなければならないのかを考えることが、今、日本中の人、世界中の人に求められていると思います。

★今日の最初で紹介した言葉は、『論語』(ろんご)の中にある言葉です。『論語』は、古代中国の春秋時代(周王朝後半)の思想家である孔子(こうし)の言葉が記された書物として有名です。小学校の時に学習した人もいると思いますし、中3の国語の教科書でも出てきます。『論語』は、今から2500年前の中国の書物で、孔子の言った言葉がその弟子たちとのやり取りと共に記されています。孔子が自ら書いたのではなく、孔子の死後300年たってから、弟子(のそのまた弟子)たちが記録しておいたものをまとめたものです。

★孔子の思想(考え)がもとになり、その後弟子たちによって広められた教えを「儒教」(じゅきょう)といいますが、孔子の教えは『論語』として、その後の中国の人々の人生観や生活観、そして生活の知恵などとして伝えられてきました。また、私たち日本人が手にした最も古い書物が、この『論語』だと言われており、日本でも現在に至るまで読み継がれています(ちなみに、聖徳太子や空海も『論語』を読んで学んだそうです)。

★確かに『論語』を読むと、今の時代、そして今の私たちの生活にもそのまま通じる部分がたくさんあると感じます。学習や友達とのつきあい方、親子の関係、年をとってからのことなど、若い人からお年寄りまで、どの年代の人が読んでも「そのとおりだな」と、納得したり考えさせられたりすることが多いのだと思います。「仁」という他者への思いやりの心、「義」という損得ではなく人としてやらねばならないこと、「礼」という人間の上下関係で守るべきこと(礼儀)などの教えは、まさに私たちが生活する上での「道徳の教科書」の役割を果たしていると言えます。

★『論語』についてもたくさんの本が言葉の解説付きで出ていますので、興味のある人はぜひ読んでみてください。きっとみなさんの心に響く言葉や、これからのみなさんの生き方の参考になる言葉などが見つかると思います。

★私たち太田中の教師も、「遠き慮り無ければ‥」の言葉を胸に、学校再開後のことを考えながらしっかり準備をしています。

太田中学校長  今井 東

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