こども野鳥の会に参加して私は鳥には全くうとく、毎回参加しておきながら少しも鳥に詳しくならずに申し訳ありません。ちょっと見たり、鳴き声を聞いたりしただけで、鳥の種類が分かる指導者の方はすごいと思います。私は毎回ついていくだけ。鳥の観察より、手持ちぶさたな子どもたちの相手をすることが私の主な仕事でした。 私にはもう一つ自分で決めた仕事がありました。それは野鳥を観察しながら道路に落ちているごみを拾うことです。観察のための双眼鏡の他に毎回トングとビニール袋を持っていきました。せっかく道路を歩くのですから、少しでもきれいにしたいという思いからです。 ホップ期の遠足の際も、歩きながらごみを拾いました。ところが今年の秋の遠足の際、うっかりトングとビニール袋を持っていくのを忘れてしまいました。せっかく大松山の山頂まで歩くのにと悔やんでいたら、子どもたちが自分のビニール袋を分けてくれました。さらに嬉しいことに、ビニール袋を持って自主的にごみを拾いながら歩く子が3人もいました。落ちているごみを見つけると我先に拾おうとします。目的地に着く頃には、子どもたちの袋の中にもごみがたまっていました。 松之山の豊かな自然のおかげで、動物や鳥や虫たちが生息できます。私たち人間の出すごみでこうした生き物の生息する環境を汚したくありません。私のそんな思いを共有してくれる子どもたちに感謝します。野鳥の会に参加しておきながら、鳥のことには詳しくなりませんでしたが、松之山での活動を通してこの地の自然が大好きになりました。野鳥の会の皆様、素晴らしい機会を与えてくださりありがとうございました。できれば一人でも多くの子どもたちに参加してもらい、松之山の自然の素晴らしさを感じてほしいと思います。でも、あんまりたくさん集まるとにぎやかになって、鳥が逃げていってしまうかもしれませんね。 3匹のヤギを育てた6名の1年生ヤギを飼う学校は減ってきているのに、なぜまつのやま学園ではヤギを飼うのか? 私にも明確な答えはありません。ですが、子どもたちの成長につながる何かがあるからだと思います。生き物を飼うということは、決して楽しいことばかりではありません。面倒なことも嫌なこともあります。それを感じながら共に過ごすことで、子どもたちは「命」と向き合うことになります。生き物を飼うことには必ず「責任」が付きまといます。その責任を果たすことが自分たちにできるのか。それができないのなら、飼わない方がいいのではないか。6人の1年生と担任はヤギを育てることにしました。そして、とてもよくやってくれました。見事にその責任を果たしたのです。 ヤギにエサをあげ、ヤギ小屋を掃除し、散歩に連れ出す。ヤギとのこうした関りは子どもたちの日常になり、ヤギをただの動物以上の存在にしていました。ヤギの体調を気遣う子どもたち。ある時は仲間のように、ある時は自分の子どものように接していました。ヤギは子どもたちと一緒にすごせて幸せだったと思います。3匹のうち2匹は埼玉に行きます。この3匹が揃うことはおそらくないでしょう。寂しいですが今日でお別れです。「おしゃれなサクラ」「くいしんぼうキラリ」「さみしがりやリッカ」。今までありがとう。みんな元気に育ってね。それが子どもたちの願いですから。 最後に子どもたちと担任が作った歌を紹介します。 「やぎさん ありがとう」 作詞:まつのやま学園1年生 作曲:柳 佐登子 1 水色、ピンク、黄色がよく似合う 真っ白 ふわふわの かわいいやぎさん くずの葉、くわの葉、おいものつるが大好き もりもり食べて 大きくなったね 一緒に散歩して 楽しかったよ 元気な毎日を ありがとう 離れても 同じお日様を 見上げて元気に過ごそうね 2 二本の脚で背い伸びしているとこも 眠っているとこも かわいいやぎさん 周りのみんなと仲良くなってね かわいい赤ちゃんを 産んで育ててね 一緒に過ごせて 嬉しかったよ やさしい時間を ありがとう これからも 同じお日様を 見上げて元気に生きようね やぎさん ほんとにありがとう トイレに現れる思いやりの気持ち立っておしっこをすると周囲には目に見えない程の微小な飛沫が飛び散ります。それは手にもかかっていますし、トイレの床にも飛び散っています。洋式便器に座って用を足せば、飛沫は最小限に抑えられます。我が家のトイレも洋式です。掃除は妻がしています。私はトイレをできるだけ汚さないようにいつも座って用を足しています。ズボンを下すのはそんなに手間ではありません。トイレの掃除をする方がはるかに大変です。 みんなが利用する学校のトイレ。便座の温度を勝手に高温にまでする必要があるのか。便器のふたが開けっ放しでいいのか。トイレットペーパーを使い切ったらどうするべきか。子どもたちに考えてもらいました。汚さないようにしたり、次にトイレを使う人のことを考えたり、一人一人の少しの気遣いがあれば、みんなが快適に利用できるようになります。「思いやりの気持ちは その人の習慣に現れる」 リサイクルのためにトイレットペーパーの芯を私の所に持ってくるとお礼にステッカーをあげています。去年は1年間で430個集まりました。今年はもう380個程集まっています。トイレットペーパーの芯を持ってくる子は、紙がなくなったことに気が付いた子。包装の紙を持ってきてくれる子は、次の人のために新しいものを取り付けてくれた子。これからもどんどん私のところにトイレットペーパーの芯や包装紙と一緒にみんなの思いやりの気持ちを届けてください。 話をした翌日はハロウィンでした。放課後、9年生の男子が4人で私の部屋までトイレットペーパーの芯を持ってきました。「トリック・オア・トリート」。そんなことを言わなくてもお礼にお菓子をあげますよ。 |
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