![]() |
最新更新日:2024/07/07 |
本日: 昨日:365 総数:1086261 |
隅田中日記 (7月11日)![]() 保護者のみなさまも、どうか体をご自愛いただきお過ごし願いたいと思います。 7月11日付 「天声人語」より 美談調や英雄視は、だれよりも本人が迷惑だろう。ただ、背負わされた責任とストレスはいかばかりだったかと思う。人間の創りだしたものが人間を呑(の)み込もうとする修羅場で陣頭指揮をとった。文字どおり「最後の砦(とりで)」だった▼おととい亡くなった福島第一原発の事故発生時の所長、吉田昌郎(まさお)さんに重なる故人がいる。28年前の夏に墜落した日航ジャンボ機の機長、高浜雅己さんである。背景も状況も異なるが、ともに制御不能となってのたうつ巨体と必死に格闘を続けた▼日航機は、垂直尾翼が壊れたという致命的な出来事を知り得ぬままだった。「これはだめかもわからんね」という機長の声をボイスレコーダーは拾っている。福島原発も内部の様子は分からない。「これで終わりか」と吉田さんは思った▼そういえばジャンボも、あの事故まで安全神話に包まれていた。まことしやかな神話が崩壊するたびに、文明の墓場のような光景が繰り広げられる。技術者として人間として、吉田さんにはもっと色々語ってほしかった▼本社命令に逆らって海水注入を続けなければ、結果はさらに悲惨だったかも知れない。「あの人だから団結できた」という現場の声も聞く。それでも福島の被害は、かくも甚大である▼折しも訃報(ふほう)の前日、電力4社は原発10基の再稼働を申請した。しかし緊急時の作業者の被曝(ひばく)限度などは、具体的な検討が進んでもいない。ご冥福を祈りつつ思う。「身を挺(てい)しても」の気概頼みで原発を操ってはならない。 |
橋本市立隅田中学校
〒648-0012 和歌山県橋本市隅田町芋生243-1 TEL:0736-32-0729 FAX:0736-32-7900 |