まつのやまブログ

保坂様、ありがとうございました

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まつのやま学園の校舎内には大きな鏡がたくさんあります。来校された方がその多さに驚くこともしばしばです。鏡は校舎内を広く見せるだけでなく、明るくしてくれます。そして、何より学園に集う子どもたちの毎日の姿を映してくれます。

このたくさんの鏡は、当時鏡に関するお仕事に携われていた浦田出身の保坂英治様が、まつのやま学園の開校にあたり寄付してくださったものです。総額で数百万円もする高価なものです。その保坂様がご逝去されたとの知らせが、先月学園に届きました。享年80歳でした。

以前に保坂様のお母様が冬に行方不明になった際に村中総出で長期にわたって捜索したことがあったそうです。残念ながら雪消えとともにお母様はご遺体で発見されました。でも、皆さんのご恩になんとか報いたいと保坂様は考え、どんな形がいいだろうかと当時の久保田学園長に相談したそうです。そして、このたくさんの鏡を地域の子どもたちの通う学園の校舎内に設置することが決まりました。

大きな鏡面を運搬したり据え付けたりすることは、専門業者とはいえ常時扱っている大きさではないのでご苦労も多かったそうです。それでも、ご自身のできる精一杯で報いようとされたのでしょう。「記名などするつもりはない」というので、「日付と名前だけはどこかに入れておいてほしい」とお願いされた方がいたそうです。心ある人に語り継いでほしいからと…。

誠実な人生を歩まれた方で、葬儀場には溢れんばかりの人が集まっていたそうです。保坂様は多くの方に惜しまれながら逝ってしまわれましたが、遺された鏡の前で自分磨きをして大きく羽ばたいていく後輩たちのある限り、保坂様の心は生き続けます。鏡は松之山の地で成長し学園を巣立っていく子どもたちの姿を映し続けます。これまでも、そしてこれからも…。保坂様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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