まつのやまブログ

出会いはどこにでも。自分から探しに行こう

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2学期始業式講話  学園長 高橋 雅彦

私はこの夏、2つの絵本作家の展覧会に行きました。一つ目は新潟市の万代島美術館で開かれていた「ヨシタケシンスケ展かもしれない」。開館初日は都合が悪く、その翌日に行きました。展示物の小さく細かなことに驚かされます。拡大しないと見えないほどです。ヨシタケさんのシャイな性格がよく分かるものでした。

もう一つは長野県岡谷市にあるイルフ童画館で開催されていた「かがくいひろしの世界展」です。かがくいさんにとって初めての展覧会でした。かがくいさんの作品は色鉛筆やコンテを使った温かみのあるものばかりで、代表作の「だるまさんが」は何度も再版され今では300刷を超えるほどのロングセラーとなっています。かがくいさんは50歳の時に初めて絵本を描いた遅咲きの作家さんです。それまでずっと特別支援学校の教員をされていました。それから4年間、教員をしながら16冊の作品を出版されています。しかし、残念ながら17冊目の作品は完成しませんでした。2009年、特別支援学校を早期退職して作家に専念しようとした矢先、急逝されました。54歳の若さでした。

展覧会では、あと少しで本として出版されるはずだった作品の原画やたくさんのアイディアスケッチが展示されていました。そして、作品以外にも特別支援学校で指導するかがくいさんの映像や子どもたちを楽しませるために使った人形、そして、子どもたちにプレゼントした似顔絵や愛するご家族のスケッチを見ることができました。表情豊かでユニークな絵柄やシンプルな言葉は年齢を問わず引き付けられます。特別支援学校で触れ合う子どもたちとの経験が作品の中に表れているように感じました。私は絵本が好きで、かがくいさんの作品もいくつか知っていましたが、今回、テレビの番組や雑誌で展覧会のことが紹介されるまでそれほど興味をもっていませんでした。この夏、かがくいさんの生涯に触れることができて幸運でした。

私たちの身の回りには、まだ自分の知らない「感動」がたくさんあることでしょう。それに出会えるかどうか。自分からそれを探しに行く積極性が、そうしたものと出会う機会を増やすことに繋がります。休みにゆっくり休むことも大切ですが、自分を成長させるために、積極的に休みを活用する人であってほしいと思います。すてきな出会いはどこにでもありますよ。

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