まつのやまブログ

命を預かるということ(後日譚)

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先週、「やぎを飼うことは不許可!」をもらってしまい、リベンジを誓って戻っていった1年生8名が、今日再び学園長室を訪れました。

手に手に野草を入れた袋、やぎの好物を書いたメモ、野草の写真等を持っています。
「お母さんに聞いたんだよ。」「2年生に聞いてきたよ。」「どこに生えているか調べたよ。」などなど、満足感と自信に満ちた表情で教えてくれました。

一週間、がんばって調べたことが分かりました。何より、「どうしてもやぎを飼いたいんだ!」という思いを感じました。「がんばるよ!」という気合を感じました。

ここまでされては首を縦に振るしかありません。
「分かりました。がんばってきたね。どうか命を大切に、やぎさんを育ててください。」と言いました。
子どもたち、「やったあ!」です。

さて、もちろんこれはゴールでなくてスタートです。

これからいろんなドラマが待っていることと思います。一つ一つ乗り越えて、1年生なりに成長していってくれればと思います。
この世に生を受けてまだ6、7年の子どもたちが「自分以外の命を預かり、育む」経験を通じて得るものはとても大きいのです。

やぎは秋には学園を離れる予定です。別れを迎える日、子どもたちがどんな姿になっているか、楽しみにしています。



命を預かるということ

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まつのやま学園では、伝統的に1年生が毎年「やぎのお世話」をしています。すぐ近くにやぎを飼っている方やアドバイスをしてくださる方がおられ、こころよく貸し出してくださっているのです。学園の一角には、ものすごく立派な作り付けのやぎ小屋があります。これも地域の方に作っていただいたのだそうです。ありがたいことです。

今週の火曜日、1年生が全員で学園長室にやってきました。

『学園長先生、やぎを飼いたいです。飼わせてください。』
『かわいいから。』『飼ってみたいから。』『お散歩したいから。』
『そのためには、えさもきちんとあげます。』『お世話もちゃんとします。』

1年生は必死です。どうしても飼いたいという気持ちが伝わってきます。かわいい8人の子どもたちの訴えです。つい、「いいよいいよ、飼いなさい。」と言いたくなる気持ちをぐっと抑えて、敢えて「難癖」をつけました。

「みんなはどうしてもやぎさんを飼いたいんだね。その気持ちは分かった。でもなあ…。」
「飼うのはいいけれど、本当にお世話できるのかい?」
「やぎさんが何を食べるのか、知っているのかい?どこから持ってくるんだい?」
「うんちもおしっこもするんだよ。」
「病気にもなるよ。去年の仔は大変だった。そのとき、どうするんだい?考えてあるのかい?」

そして言いました。

「やぎさんを飼うということは、『命を預かる』ということです。みんなの世話をしてくれるおうちの人がいるように、みんながやぎさんのお母さんやお父さんにならないといけないんだよ。できるのかい?できなければ、やぎさんは死んじゃうんだよ。」
「みんなの今の様子を見ていると、とてもそんなふうには見えない。だから今日は、『いいですよ、飼いなさい』とは言えません。もう少し、勉強してきなさい。」


事前に『学園長先生優しいから、きっとすぐに許してくれるよ』と言っていたという1年生、まさかの「不許可」にシュンとします。でもすぐに、『よし、じゃあ、お姉ちゃんに聞いてみる。』『図鑑で調べる。』『うちの人に聞いてくる!』と口々に言って帰っていきました。
今、「リベンジ」をめざして調べているそうです。来週また、みんなして学園長室に来るとのことです。

「学校で生き物を飼う」ということは、今まで守られ、人のお世話になって育ってきた小さな1年生が、初めて「他者のお世話をして命を守る」ことです。「他の人がかわいがっていた大切な命を預かる」ということでもあります。そのためにするべきこと、してはいけないことなど、たくさんのことを考え、体験していくわけです。
やぎはかわいい動物です。ちゃんと世話をしてあげると、ものすごくなつきます。子どもたちの中には当然、「愛情」がわきます。その上で、ああそうか、自分もこんな愛情をもって育てられているんだな、と気付くことができたら、最高です。

その意識を指導者がもっていないと、この活動はまったく意味をなしません。ただの作業、ルーティンワークになってしまいます。

さて1年生、どう成長したのかな。
8人の小さな「お母さんお父さん候補者」の再挑戦、待っていますよ。

(一番下の写真は、去年のやぎ・さぶろうくんと現2年生のお別れの日の様子です。がんばってお世話したからこそ、「さみしいな」と背中が言っていますね。)


たくさんの方々に支えられて

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夕方、地域の方々がたくさん来校されました。

「まつのやまタイム」(生活科・総合的な学習の時間)の年間の方向性について、各担任と徹底的に討論する時間です。担任は「こういう子どもたちを育てたい!」とビジョンを語ります。そこに「こうしてみよう」「こんな協力ができるよ」と助言くださるのが、地域の方です。

ここまで深く、地域と学校が関わった教育活動が展開されているところも珍しいのではないでしょうか。まさに学園を「地域の宝」とし、協力を惜しまない方々。本当に心から有り難いと思います。真に「地域とともにある学校」の姿が、ここにはあります。

学園長として、心から御礼申し上げます。ありがとうございます。

今日お集まりの方はもちろん、それ以外にも、実に多くの松之山の方々に支えられて、学園の子どもたちはすくすく育ちます。

子どもたち、今は分からなくていいから、大きくなって、ホントに素敵なところにいたんだなと振り返ってほしいです。そして、子どもたちの中から今日お集まりの方々のような人物が一人でも多く生まれることを願います。

副学園長と力を合わせて

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4月から、新しく松之山中学校長として浅井貞夫副学園長が赴任しています。
コロナ禍はまだまだ続き、学園経営においても難しい判断を迫られる場面が数多くあります。そんなとき、とても頼りになる存在です。

副学園長、そして二人の教頭をはじめとする全職員と力を合わせ、学園の子どもたちのためにがんばっていきます。

以下、浅井副学園長からの自己紹介です。

 今年度、副学園長・中学校校長を務めさせていただきます浅井貞夫と申します。魚沼市立魚沼北中学校から参りました。生まれも育ちも魚沼市で、昨年度までは母校の閉校・統合に携わらせていただきました。教科は保健体育です。スキーや野球、テニスに若い頃は打ち込んでいましたが、最近はゴロゴロしてばかりで見る影もありません。
 まつのやま学園が地域・保護者と力を合わせて素晴らしい教育活動を行っていることは広く知れ渡っています。私もその仲間に入れていただき、松之山の子どもたちの健やかな成長のために全力で取り組んでいきます。どうぞよろしくお願いいたします。

「生き生きとした子ども」をめざして

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この4月より、久保田智恵美先生、相澤顕先生の跡を受け、第三代まつのやま学園長(松之山小学校長は留任)を拝命いたしました藤田剛(ふじた・つよし)と申します。偉大なお二人の足下にも及ばないですが、誠心誠意、力を尽くしてまいります。

創立5年目を迎えた当学園は、地域と真に一体となった特色ある教育活動を展開し、市内や県内はもとより、全国からも注目されている新しい学校です。創立当時の理念を大切に、更なるバージョンアップを図っていく年にします。コロナ禍の中にありますが、松之山らしいダイナミックな教育活動を展開していきたいと考えています。

また、今年度は新しく松之山中学校長として浅井貞夫(あさい・さだお)副学園長が赴任いたしました。後ほどこのHPでも紹介いたします。浅井副学園長としっかりスクラムを組み、子どもたちの幸せな学園生活のために尽力いたします。

さて、まつのやま学園の「強み」とは何か?思いつくままに挙げても、以下のようなことがすぐに出てきます。

・学園と学園に子どもたちを地域の「宝」とし、たくさんの支援をしてくだ  さる地域の方や松之山出身の方の存在。(本当に温かい地域です。)
・義務教育9年間を見とおした指導が行われていること。
・学園創立当初の理念に基づく4−3−2制を採用するとともに,6−3制  のよさ,けじめを取り入れていること。
・小学校段階での「教科担任制」の導入がすでに一部でなされていること。
・小学校籍児童に対する専門性を生かした中学校籍教員の乗り入れ。
・小中教員の相互交流,「異文化理解」がなされ,融合に向かっていること。
・「コミュニティスクール」が機能し,「まつのやまタイム(生活・総合)」に地域住民のみなさんが積極的に参画していること。
・ALTがほぼ常駐し,児童生徒の様子を把握している。その上での全校「E+タイム」を実施していること。
・地域とともに創る「特色ある教育活動」の展開(山菜採り・学校田・探鳥会・湯鳥駅伝&運動会,スノースポーツ.COMやスキー関係諸団体との連携によるスキー学習、アウトドア部や自然科学部)
・「雪里留学」等,地域外からの受け入れ体制の整備に向かっていること。
・全国の「小中一貫小規模特認校」との情報交換,交流(児童生徒も,職員も)

他にはなかなかない、この「強み」を「生かし切る」活動を展開し、創立当時からの教育目標「生き生きとした子ども」の具現化をめざします。

子どもたちの日々の教育活動や学園長の考え・学園運営の方向などは、このHPにどんどんアップしていく予定です。ご高覧いただければ幸いです。学園の教育についてお聞きになりたいことやご意見等は、どうぞ遠慮なくご連絡ください。

また、当学園は「小規模小中一貫教育特認校」です。学区外、区域外からの児童生徒の受け入れも行っています。このことに関するご相談もお気軽にご連絡ください。

今年度もまつのやま学園を、どうぞよろしくお願いいたします。
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