大治小学校指導助言

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 10時に家を出て、大治町立大治小学校へ向かう。オンラインを含めて3回目の訪問。11時から研究を推進しておられる方々から、これまでの概要をお聞きする。

 目指す児童像が明確で、そのための手立てもしっかりしている。
(1)自分の個性や学力を客観的に把握し、受容できる子。
(2)他者のよさを認め、自分の思いを表現できる子。
(3)考えを伝え合い、生き生きと学び続ける子。

 嬉しいのは、スクールライフノートが昨年10月から活用されていて、目指す児童像を実現するためにとてもうまく活用されていることだ。

 例えば、次のような「心の天気」のアンケートもあり、日常化されていることがよくわかる。(長文だが紹介しておきたい)

 心の天気 教員アンケート まとめ 令和2年 12月実施
1 教員が児童の把握をしやすくなった
・タブレットで、一目で誰がどれを選んだのかが分かるため、⚡や☂の子には、朝の内に声をかけることができる。
・毎日、☀ばかりの児童もいれば、毎日、☁、☂、⚡が多い児童など、児童の心の様子が教員にとってわかりやすい。
・教員が子どもの特性をつかむのに役立っている。
・毎日、児童の「心」が分かり、声をかけるきっかけになったり、必要な場合は、保護者に連絡をしたりなど、寄り添った指導ができ、大変良かった。
・子どもとより深く話すために役立てている。

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 児童が客観的に自分を把握している
・自分のことを見つめることができ、自分を知る力がついた。
・自分のタブレットを使用したときは、児童のモチベーションもあがり、心の天気の振り返りにもなる。
・紙媒体の時は、作業になっていたが、タブレットで天気と理由を一言書かせると、作業ではなく、思考していたようにみえた。
・本人が、晴れを付けられるように行動しようとしている。
・毎日行うことで、「日々の自分と向き合っていたんだ」ということが、心の天気の振り返りの記述でわかった。
・自分の心の状態を知ることができた児童が多かった。
・自分の心の状態を知り、少しずつ理由やどうしたらよかったのかを考えている児童がみられた。
・何が原因で心の状態が変化しているのかを考えられる児童がみられた。
・始めの方は、☀ばかりつけていたが、その日の気分や理由でいろいろな天気を付けている児童が出てきた。
・その日の時間割で☀にしたり、☂にしている児童が、男子の中で多かった。
・体調が悪いときに、☁や☂にしている児童もいた。
・「毎週●曜日は、〜だから、いつも☂or☀」と、曜日によって習慣化しているのも、児童自身が理解し、発言をしていた。

3 心の天気を通して、自分の心や気持ちを伝えることができる
・☁や☂だった児童も、気持ちを伝えることで、表情が明るくなっていった。
・「今日も晴れだ!」と喜びながら、入力している児童が多い。
・自分で基準を決めて、天気を選んでいる児童がいた。
・自分なりの天気を選び、理由をもつ子がほとんどになった。「塾があるから☂」、「早く帰れるから☀」など、自分の気持ちを伝えてくる児童が多い。
・一日でも多く晴れになるように、児童一人一人が頑張っていた。

4 ICT化したメリット
・タブレットを利用することで、児童の心の天気が見やすくなった。
・紙媒体は、ぐちゃぐちゃに書いてしまったり、破いてしまったりすることがあったが、タブレットになってからは毎日楽しそうに取り組んでいる(特支)
・アプリに切り替わったことで、効率的に入力、確認ができた。
・タブレットで記入し、理由を一言書かせると、手立てとしてしっくりきた。
・教師用タブレットで行っているので、誰がやっていないかなど、すぐにわかる。
・タブレットで心の天気を入力することに慣れてきた。

5 その他
・自分のよいところが分かり、嫌なことがあっても、よいところを見つめて、立ち直ることができると予想できる。
・人によって基準が違うため、普段⚡をつける児童がさらに嫌な気分になったとき、教員も児童もわからない。
・保護者も理解してくれており、家で声掛けをしてくれていることがありがたい。(個人懇談等で、複数の保護者の方から話をいただいている)
・家でのことや習い事のことなどを反映している児童が多い。
・学校での心の変化を反映するのに、帰りの会や授業の後なども使うとよい。
・振り返りの手立てとして行っていたが、学びの天気を使ったら、授業のことがマークでわかりやすくなった。

課題点
▲児童自身が自分をみつめる手立てとしては、低学年には、少し難しいと感じる。
▲タブレットを出したり、片付けたりするのに、収納庫の前が込み合って大変である。
▲天気だけで☂や⚡の児童に声をかけるというのは、高学年にとってハードルが高い。
▲支援の児童が児童用タブレットで入力した心の天気は、支援のスクールライフノートに反映されないのが不便であった。




 全学級の授業を参観。多くの学級でchromebook活用。子どもたちの活用状況も困っている様子はない。学び合いも促進しようとする教師の意図的活動もよく見ることができた。

 午後の研究授業は、授業アドバイスツールで撮影。情報分野の新しい授業提案で、意欲的で挑戦的な授業。

 研究協議後に、僕に与えられた時間は45分間。始めに「心の天気・学びの天気」の改めての価値付け。そして大治小学校の研究が文部科学省が提唱しているこれからの授業実現にマッチしていることを価値付け。最後は研究授業者に前に来てもらい、授業アドバイスツールを使って授業場面を再現して、この場合はこうした授業技術を活用した方がよいと助言。先生方に協力いただいて、ロールプレイもしてもらった。皆さんの頷きが多く、話すことに勢いをつけてもらった。

 校長室で研究スタッフから、さらに質問をもらい、その対応。17時30分頃まで学校に滞在。

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