特別寄稿>野口芳宏先生の講演を聞いて(丸山)

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 ゼミ生ではありませんが、玉置研究室によく顔を出してくれる丸山君が以下の投稿をしてくれましたので、紹介します。

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 10月10日月曜日、大口町立大口中学校で行われた、NPO法人元気な学校を支援し創る会主催「教師力UPセミナー」に参加させていただきました。講師は野口芳宏先生。

 私は第二部「質疑応答」と第三部「家庭教育」についての講座に参加しました。その際の学びを共有できたらなと思います。

 この講演で特に印象深く感じたのは、野口先生の「現行教育への批判的な見方」です。教育界のレジェンド教師として名高い野口先生の口から、現行教育への批判が成されるとは思いもよらず、会場がザワついているのを肌で感じていました。

 「主体的な学び」と言われるように、現行の学習指導要領においては「主体的」「対話的」「深い」学びが推進されてきています。しかし、野口先生はそれらの能力が本当に良い子どもを作ることに寄与しているのかと問われていました。

 例え話として泥棒(!)の特徴をあげられ、泥棒は「主体的」「自主的」「独創的」であると考えられるとして、まさにこれは3つの資質能力ではないかと問われました(笑)

 つまり「3つの資質能力が備わることがすなわち良いことだとも言えない」ということなのでしょう。

 さらに野口先生は、基礎学力・人間力をつける時期においては、「主体性」よりも「虚心坦懐」「素直さ」が必要であると仰られていました。

 これまで「主体的・対話的・深い学び」を行うことで、未来を生きる力を培えると単純に考えていましたが、そうでは無かったのかもとハッと気付かされました。

 「勉強」と「学習」のように、似て非なるものが乱立する今の教育において、「何が不易で、何が大切なのか」を教育者は批判的に考え続けていく必要があるという学びこそが教師力UPの秘訣なのかもしれません。

 一つ一つの発言に芯があり、自分の中に凛とした哲学を持っていらっしゃる野口先生のような教師になれるよう、努力していきたいなと思いました。(丸山)
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