こまきこども未来館の「体験ひろば」の1年

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 3月22日(火)18時から、第2回こまきこども未来館講座運営会議の進行役を務めました。

 資料として、写真の「こまきこども未来館体験ひろば2021」が提出されました。コロナ禍での開館、わずか1年で、充実した報告がされたのに、正直感激しました。

 この冊子の最後に運営会議の会長として、「大いに期待できる こまきこども未来館 体験ひろばの未来!」と題して寄稿していました。一読していただけると有難いです。必ず未来館を訪問してみようと思っていただけると思います。

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 「こまきこども未来館」が開館してから1年ほどが過ぎた。未来館の「体験ひろば」には、立ち上げ前のワークショップ(企画や運営の在り方についての話し合い)にも関わらせていただいたので、とりわけ思い入れが強い。

 体験ひろばで行われるワークショップのコンセプトは、「遊びから学びへ、そして連続化へ」である。未来館には、近隣にはない大型遊戯施設を備えているので、そちらに注目が行きがちである。致し方ないことだ。しかし、遊戯施設だけに夢中になっていては、未来館を学びの一拠点にする子どもは生まれないと思っている。言い換えれば、遊戯施設だけではいずれ飽きられてしまうということだ。だからこそ、「体験ひろば」が存在する価値は大きい。

 この「体験ひろば」では様々なワークショップや交流・体験CAMPが開催されていて、多様な遊びができる仕掛けが満載だ。詳細を知られた方の中には、「このような体験がここでできるのか!」と驚嘆される方がおられる。こうした声を耳にするたびに、「ようやく気付いていただけましたか。凄い空間でしょ!」と、つい自慢したくなってしまう。

 「体験ひろば」が真に目指していることを知った方は、そのコンセプトに共感し、「ここは遊びから学びへ、そして学びを連続化させている」と言っていただける。もちろん、こうした気づきをされる方はけして多くはない。しかし、コロナ禍となり、施設の運営にもかなりの制限がされている中でさえ、ひろばの本質に気づいてくれる方がおられることは、とても嬉しいことだ。

 また、「体験ひろば」にはコミュニケーターという役割をもった人材がいることも特筆すべきであろう。私は、コンセプトを具現化してくれる存在がコミュニケーターだと考えている。近い将来、コミュニケーターの働きかけにより、遊びから学びへ、そして探究を日々続ける子どもが生まれるに違いない。体験ひろばの波及効果には、大いに期待して間違いないと確信している。

「教師のための『話し方』の技術」(玉置崇・菱田さつき著、明治図書)のお勧め

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 新年度に向けて、教師力アップのためにいろいろと入力をされておられる方が多いことと思います。

 ぜひ入力情報として、拙著「教師のための『話し方』の技術」(玉置崇・菱田さつき著、明治図書)をお読みになることをお勧めします。

 話術がない話を長く聞いている子どもの立場になってみると、それは辛いものです。集中力を欠くのも頷けます。共著の菱田さんは、話し方は技術なので学ぶことをすれば間違いなく向上すると言っておられます。そのための1冊がこの本です。

 菱田さんがYouTubeでこの本のことを語っておられます。ぜひ視聴ください。この本がすでに手元にある方は再読しよう、そうでない方は購入しようという気持ちを持っていただけるものと思います。

大治小学校スクールライフノートの実践が読めるようになりました

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 3月17日にお知らせした海部郡大治町立大治小学校のスクールライフノート活用実践ですが、ここをクリックすると読んでいただけるようになりました。

 一人一台の情報端末を活用して、子どもと教師が日々結びついています。ぜひその活用ポイントをお読みください。

大治小は家庭からも「心の天気」を活用

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 大治小リーフレットに記載されていますが、情報端末を家庭に持ち帰った際にも、「心の天気」の入力がされています。

 記述を見ていただくと、家庭ならではの「心の天気」が伝わってきます。

大治小学校の実践がリーフレットになりました

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 このたび愛知県海部郡大治町立大治小学校の「スクールライフノート」(心の天気・学びの天気)の実践が4ページにわたるリーフレットになりました。

 後日、デジタルデータでも読んでいただけるようにします。しばらくお待ちください。

 このリーフレットから「取り組み」と「成果」を抜き出して紹介します。

<取り組み>
・毎朝、「心の天気」で自分の心の状態を記録
・紙からタブレットへ、「心の天気」の段階的活用
・授業内容の振り返りにおける「学びの天気」の活用

<成果>
・スモールステップによる「心の天気」の導入で、「全員」が「毎日」使うことを実現。
・担任以外の先生も子どもの状況を把握し、先生同士で連携して子どもの継続的支援。
・「学びの天気」で子ども同士の交流の場を確保。

6期生無事卒業しました(玉置)

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 写真のように、6期生全員が学位記を授与され卒業しました。これで玉置ゼミ卒業生は総勢65名となりました。

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 6期生の2年間ゼミは、まさにコロナ禍での2年間でした。イレギュラーなことばかりで、これまでのようなゼミ運営ができず、学びと出逢いの場をたくさん提供してきた玉置ゼミの特長を彼らに味わってもらえなかったことが、致し方ないとはいえ大きな後悔。途中からオンラインでそれが可能だと気づき、いのちの授業セミナー、志賀内さんプロジェクト、熊本educationWeek、EDUCOMプロジェクトなどに出てもらったことが、せめてもの彼らへの償い。

 「ハードルを上げる」「壁になる」と宣言して、かなりの追い込みをしたこともあったが、期待によく応えてくれた。6期生も自信をもって世に送り出せるゼミ生7名。卒業おめでとう!(玉置)

「心の天気を活用した温かい学級づくり」PDFデータ

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 EDUCOMから「心の天気を活用した温かい学級づくり 『子どもの困った!』をキャッチして子どもとつながる」(和田裕枝著)のPDFデータが届いた。本文は16ページなのですぐに読める。これはいい!皆様、ぜひお読みください。

4月2日(土)全世代教員対応型セミナーに登壇します

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 4月2日(土)名古屋・栄ガスビルで、陰山英男先生、多賀一郎先生、新穂由依先生と一緒に、「全世代教員対応セミナー」に登壇します。10時30分から17時まで、たっぷり学んでいただけます。皆様、ぜひどうぞ。

 ご参加の皆さんからも鋭い突っ込みをしていただきながら、楽しく学び、明日からを変える元気と勇気を持ち帰っていただきたく思っています。会場でお会いしましょう。

【特別寄稿】2月3日文化講演会の感想をお願いしました

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 2月3日の小牧市文化協会の文化講演会「これからの学校教育・文化を展望する」に参加していただいたゼミのお母さんこと、斎藤早苗さんに講演の感想をお願いしました。以下のように感想を寄せていただきましたので掲載します。斎藤さん、ありがとうございました。(玉置)

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 あの玉置先生が(笑)、市民向けの講座をされるということで、どんなお話しをされるかな〜と、楽しみに参加しました。

 演題の「学校教育」と「文化」という言葉から、どんな内容になるのか、まるで見当がつきませんでしたし、そもそもどう結びつくのかしらという感じでしたが、聞き終わって今「なるほど、そう来たか」と感心しています。

 メインのお話しは、これからの学校教育の目指す方向性のお話しと、国はなぜそれを目指そうとしているのかの解説、そして学校現場で起きていることなどでした。

 それらの内容を、玉置先生が文科省の会議などから得た知見と、学校現場のサポートをされている経験をもとに、具体的でわかりやすく伝えてくださいました。

 と言っても、聴衆の多くは学校関係者ではなく、一般市民の方々です。おそらく、言葉選びにもご苦労されたことと思います。なにせ、教育用語や行政が使う言葉は難しいですし、耳慣れないものばかりですものね。それでも、玉置先生が伝えたかった肝の部分は、皆さんにきちんと受け取ってもらえたのではないかなと、まわりの皆さんの反応からも感じました。

 玉置先生は、「これからの教育が目指すことは、文化でも同じように大切にされるべきことですよね」というお話しをされました。文化というと、芸術を思い浮かべることが多いのですが、本来はもっと広い意味を持つ言葉ですよね。

 辞書によると、”文化とは、複数名により構成される社会の中で共有される考え方や価値基準の体系のことである。 簡単にいうと、ある集団が持つ固有の様式のことである。”とあります。となると、学校も会社も地域も、あるいはもっと小さな集団である家族やサークルなどのコミュニティにも、それぞれの価値観がありますから、それはそれぞれの組織やコミュニティの文化と言えるでしょう。

 その文化を育むためには、コミュニケーションが欠かせませんが、施行されたばかりの新学習指導要領が提唱する「主体的・対話的で深い学び」では、このコミュニケーションも重視されています。そう考えると、教育と文化は、密接に結びついているのだなと思いました。

 教育は、社会のベースにあるもので、大切なものですね。教育は、学校だけのものではなく、社会全体のものだと思うのです。だから、教師だけでなく、大人がみんなで考えなければいけないし、みんなで協働していかなければいけないよな、と思っています。そんな思いを、お話を聞きながら思い出しました。

 学校関係者ではない私が、こんなふうに教育に関心を持つのは、それが私にとって「主体的な学び」だからでしょうか(笑)「学びたい」という思いに正直でいられるのは、とてもありがたいことです。子どもたちが、「学びたい」「やってみたい」と思えることに出会えるような環境を、大人がみんなで作っていけるといいですね。

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※写真は斎藤さんのFBから借用しました(玉置)。
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『落語流 教えない授業のつくりかた』発刊(発刊)

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 立川談慶師匠との共著『落語流 教えない授業のつくりかた』がいよいよ発刊される。サイトには以下のように「革新的な1冊」と紹介されている。皆様、ぜひお手元に。

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 2017年3月刊行『落語家直伝 うまい!授業のつくりかた』(誠文堂新光社刊)の続編。落語家・立川談慶、教育者・玉置 崇による共著。

 2020年の学習指導要領改訂においては、論理的思考やプログラミング的思考、自ら学び、行動する力といった非認知能力を育むことが重要視されている。「自ら学び、行動する力」を育むためには、先生が答えを「教えない授業」が必要。

 これまでの習得型から探究型の授業へ、スタイルの変化も求められている。とはいえ、マニュアルのない授業を行うためには既存の授業スタイルにとらわれない教師の意識改革が必要とされる。

 そこで本書では、マニュアルや答えがなく、自分で考え行動しなければならない落語家の前座修行からヒントを得て、「教えない授業」に展開する具体的な方法を紹介。

  1章では、立川談志の18番目の弟子である落語家・立川談慶が実体験した前座修行やそこで得た実践的な学びを展開。2章では、教育者である玉置 崇が「教えない授業」の心得や、具体的な授業例を指導。

「話し方」「ユーモア」といった落語のエッセンスと教育の相性の良さを知る2人の共著により、学校現場だけでは得られない観点と、学校現場でしっかり活用できる実用性を兼ね備えた、革新的な一冊が実現した。

東栄町立東栄小学校のびのびタイムから学ぶ

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 愛知県東栄町立東栄小学校に行ってきました。この日は「のびのびタイム」15分間が設定されていて、全校児童100名ほどが、「学年対抗トーナメント制ドッジボール」を行っていました。これだけだとありふれた感じがしますが、実はそうではないのです。

 全体に説明したり指示したりしていた2名は、企画、準備、当日の運営までをやりますと、自ら立候補した児童です。
学校が「のびのびタイム」の日にちを提示すると、「私たちが全校が楽しめる企画をして運営までします」と、子どもたちが立候補してくるそうです。その中で決まった2名だったのです。

 ドッチボール後は「縦割り活動」が設定されていました。今日の「のびのびタイム」の振り返りです。オンラインアンケートが準備されていて、1年生から6年生まで全員が入力できる仕掛けがありました。

 6年生にアンケート用URLが送信 → 5・6年生が中心となって、縦割り班の下学年にアンケートの入力方法をレクチャー → 1年生から6年生まで全員アンケート回答終了

 これが終わると、スクールバスを待っている間(僻地校であるのでバス通学)、各自で課題に取り組むように指示されていて、縦割り班ごと、つまり学年混在で各教室にいるので、上学年が下学年をサポートする体制が作られているのです。

 子どもたちの活動に並行して、先生方は研修(私の講演を聞く)でした。もちろん子どもたちの活動を見守る学習サポーターは存在していましたが、日ごろから子どもたちの主体性を育み、絆づくりもされているからこそ、こうした体制がとれるのだと思いました。

オンラインライブ「第14回教育と笑いの会」の参加募集始めました

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 2014年に第1回目を開催した「教育と笑いの会」も、14回目を迎えることになりました。

 今回も昨年に引き続きオンラインライブで開催します。昨年来、「コロナよ、もう勘弁して欲しい。私たち、何か悪いことしましたか。許してください」と懇願し続けているのですが、言うことを聞いてはくれません。

 コロナ禍になり、雀太師匠が言われました。「足を洗わず、手をしっかり洗って、腕を磨いておきます」と。こういう事態だからこそ、こうした洒落たことを忘れてはいけませんね。やはり良質な笑いです。

 ということで、しっかり腕を磨いてきたその成果を無料(雀太落語も小痴楽落語もタダで聴けるのですよ!)で、皆さんに特等席をご用意して、生中継でご覧いただきます。どうぞ思う存分楽しんでくださいませ。

 申し込みはこちらから
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「いのちの授業を考えよう」専用サイト紹介

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 「いのちの授業を考えよう」の専用サイトができました。以下は、主催者の鈴木中人さんによる説明です。ご関心がある方は、ぜひサイト(動画もあり)を見てください。

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 今年、オンラインセミナー「いのちの授業を考えよう!」(3回シリーズ)を開催しました。「いのちの授業」は、何のために・何を・どう、学ぶかを考えます。

 学校経営と授業づくりのカリスマ教師(玉置崇)、「いのちの授業」の実践者(鈴木中人)、教師を目指す大学生5名が、授業づくりの要諦と実践ヒントを具体的に本気で語らったものです。

その完全録画版を、YouTube(各105分)にUPしました。

 いのちの教育、いじめ・自殺予防に関わる方々には、授業づくりのヒントとなる、「なるほど、そうか、やってみよう」と実感できることばかりです。

 無料&フリーです。ご活用いただければ幸いです。

■セミナーの思い

「子どもたちが、いのちを大切にしてほしい!」
そう願って、多くの人が「いのちの授業」に取組んでいます。同時に



「いじめや自殺がなくならない」「死ね、死にたいとの言葉が溢れている」「子どもの心はどうなっているのだろうか?」「いのちの大切さをどう伝えたらよいのだろうか?」「学校現場は超多忙で、いのちの授業をする余裕がない」「みんなは、どうしているのだろうか?」
そんな戸惑い、心揺れる声も聞きます。

このオンラインセミナーは、こうした思いをお持ちの方や、「いのちの授業」づくりをもっと深堀りしたい方のために開催しました 「いのちの授業」について、3回シリーズでテーマを定め、「見方・考え方」「授業づくりの実践ヒント」を発信。

その後、メンバーで語り合うことを通じて、共感、課題共有、深堀をする。

〇メンバー=玉置崇(岐阜聖徳学園大学教授)、大学生4名(玉置ゼミ)、鈴木中人(いのちをバトンタッチする会)

〇進め方=

鈴木中人ミニ講演30分(「いのちの授業」実践者として)

玉置崇ミニ講演20分(授業づくりの研究者として)

メンバーで語り合う55分

〇主催=授業と学び研究所、いのちをバトンタッチする会

NHK「おはよう日本」で「心の天気」が紹介される(玉置)

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 本日(2021年8月31日)、NHK「おはよう日本」で、「心の天気」が紹介されました。

 「子どもの変化にどう気づくか」という視点で取り上げられ、教師が子どもの変化を見守り続けられる手立ての1つになるということが強調されました。

 また、「教育の専門家とともに企業が開発した『心の天気』というソフトです」と紹介されました。(玉置)

「教育フォーラム2021 〜令和時代の教育をリードする〜」を参観して

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 岐阜聖徳学園大学のイベントやニュースなど、気になる最新情報が発信されているWebマガジンYAWARAGIに「教育フォーラム2021 〜令和時代の教育をリードする〜を参観して」がアップされました。

 大好評だったフォーラムがWeb上で再現されています。また全編も動画で見ることができます。ぜひアクセスしてご覧ください。貴重な情報を得る事ができることは間違いありません。

★ 目次 ★
                         
第一部 浅野氏講演
○ GIGAスクール構想、一人一台端末の実現にむけて

第二部 パネルディスカッション

○ 「令和の日本型学校教育」って言い方、古くないですか?

○ ICTの管理システムの拡充によって自由は阻害されるのか?

○ ビルド&ビルドばかりの現場。教育にこそ「不要不急(トリアージ)」の考え方では?

○ 「個別最適な学び」とは結局、どういうことか?

○ 令和時代の教育をリードするために、まず何をするか?

フォーラムを終えて

○ 玉置教授インタビュー

募集開始「いのちの授業を体験的に学ぶ会」

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 本学の龍崎忠先生、山田貞二先生と開催する「いのちの授業を体験的に学ぶ会」の参加募集が開始されました。2021年11月6日(土)10:00〜11:30、岐阜駅前のじゅうろくプラザ5階で行います。

 山田先生とともに「いのちの授業」の模擬授業をします。また龍崎先生から解説をしていただきます。

 参加希望の方はチラシに書かれたところへ申し込みをどうぞ。

 大学サイトの案内にはこちらからどうぞ。

2021年8月5日いなべ市で立川談慶師匠との共演「話し方講座」

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 いなべ市教育研究所主催で、立川談慶師匠と二人で「話し方講座」を開催しました。

 13時30分開演で16時終了の楽しい時間を二人で創出。

 玉置崇(愛狂亭三楽) 「笑いの効用」「親の顔」 40分間
 立川談慶 「落語とは」「井戸の茶碗」 50分間
 二人で対談 「落語家になるには」「立川談志とは」「個性は迷惑だ」「独演会名人になるな」などをテーマに50分間。

日本教育新聞に「先生のための『話し方』の技術」の書評が掲載される

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 2021年8月2日付、日本教育新聞に拙著「先生のための『話し方』の技術」の書評が掲載されました。ありがたいことです。

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 玉置崇・岐阜聖徳学園大学教授とスピーチコンサルタントの菱田さつきさんはこのほど、「聞き上手」「話し上手」になるための基礎・基本をまとめた「先生のための『話し方』の技術」(明治図書出版、写真)を発行した。
 自分が発した言葉を相手により円滑に伝えるために必要な知識や考え方などを具体的な場面とともに挙げたもので、教職員だけでなく管理職にとっても役立つ内容だ。
 菱田さんが執筆した基礎知識の章では、例えば雑談について、決して「雑」なものではないとし、「今ここを楽しむ」「自己開示をする」「アドバイスシーキング」など三つのポイントを示している。気負うことなく今この瞬間を楽しむ気持ちで語り始める、まずは自分のことを話してみる、相手にアドバイスを求めてみる―というものだ。話の分量は相手6割、自分4割を目安にする。してはならないこととしては、「ダメ出し」「マウント」「ジャッジ」を挙げる。
 良い対話の相手になるためのポイントでは、「どんなに口下手な人も、優れたインタビュアーの前では饒舌になれ」るなど本質を突いた指摘が続く。
 玉置教授は、自身の教職経験を踏まえながら、子どもに話す技術、教職員、同僚に話す技術、保護者に話す技術―を解説。
 教職員や同僚に話すときは、記憶に残るフレーズを入れる、助言をする場面では子どもとのやりとりを基に伝える、保護者に話すときは、「先生は我が子をよく見てくれている」と感じさせる、「保護者9割、教師1割」の配分を意識する、「いつ」を明確にする―といった技術を載せた。
 本書のまとめの部分には、「技術は才能ではなく、トレーニングで習得できる。技術は思いを伝えるために存在している」という趣旨の言葉があった。
 定価は1980円。問い合わせは明治図書出版(Tel03・5907・6668)。

岐阜新聞掲載 コロナ禍で子どもの「うつ症状」深刻 タブレットに「天気記号」心の変化を見える化 20210731

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 2021年7月31日岐阜新聞社会面に、「心の天気」活用の記事が掲載されました。以下は岐阜新聞webからです。

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 新型コロナウイルスの影響によりマスク着用や黙食などの制約が続く学校現場で、子どもたちの「うつ症状」が深刻化している。そうした中、岐阜県恵那市がタブレット端末を活用し、子どもたちの心の変化をつかむ「心の天気」システムを県内で初めて導入した。先行実施校で活用が始まっている。

 国立成育医療研究センター(NCCHD)が継続的に実施する「コロナ×こどもアンケート」によると、第4回(2021年2月公表)では小学4〜6年生の15%、中学生の24%が中等度以上のうつ症状が見られることが判明。第5回(5月公表)では先生への相談のしやすさが「減った」子どもが「増えた」の約3倍以上の51%に上るなど、心理的ストレスを抱える実態が明らかとなった。

 見えにくい子どもの心理を見える化するのが「心の天気」システムだ。タブレット端末を使い、「晴」「曇」「雨」「雷」の四つの天気記号から、児童生徒自身が今の気持ちに近いマークを選んでタッチする。毎日の履歴データから、児童生徒の心の揺れ動きに教員は早く気付ける。子どもにとっても負担感なくSOSを発信できる。

 システムは、岐阜聖徳学園大の玉置崇教授(64)の研究が基になっており、学校支援システムを手掛けるIT企業のEDUCOM(愛知県)が提供。大阪市の全小中学校のほか、名古屋市などで利用が広がる。県内では、玉置教授が恵那市のICT教育に関わることから、市内の全22小中学校で活用が決まった。

 先行実施校となった山岡中学校(同市山岡町下手向)は6月下旬から運用を始めた。抵抗感があったり、自身の平常心の状態がどのマークに当てはまるのか戸惑ったりする生徒もいたが、徐々に自分の心を客観的に捉えられるようになってきたという。

 システムには生徒自身がコメントを書き込める機能がある。教員からは「いじめなど深刻な相談は入力に時間がかかり、周りの目を気にする子もいる」として、生徒とやりとりする生活ノートを併用すべきといった意見があった。生徒が入力したマークは教員間で共有でき、「教員の指導力や経験年数の差に関係なく、複数の目でサインをつかめる」との意見も出た。

 市内の他校では2学期から活用を予定する。市教育委員会の山本晋平指導主事(49)は「マークを手掛かりに、どのように生徒の気持ちを引き出すかが重要。試行を重ねながらより良い個別指導につなげたい」と話す。

発信 第3回学級経営の困った!を一人で抱え込まないで

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 第3回の「学級経営の困った!を一人で抱え込まないで」は、7月19日(月)19時30分から21時までオンラインで開催しました。

 そのときの話し合いの内容を議事録としてアップしました。参考になると思います。お読みください。なお、この記録を作ってくれているのは7期生の下野さんです。
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教育資料

一人で抱え込まないで

卒業論文