拙著から紹介【中学校数学授業 発問・言葉かけ大全 生徒が考えたくなるキーフレーズ100】(明治図書)

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 今回は、「中学校数学授業 発問・言葉かけ大全 生徒が考えたくなるキーフレーズ100」から「はじめに」を紹介します。

 これまで多くの数学授業を参観させていただき、指導助言をしてきました。「主体的・対話的で深い学び」を具現化しようとする授業や、一人一台情報端末を活用した授業など、とても参考になる授業を見ることができています。

 こうした中、次のように思うことがあるのです。この場面で、「二つの考え方にはつながりはありませんか?」と発問したら、話し合いがさらに活性化して、生徒から数学的見方・考え方を引き出すことにできるのに、とても惜しい場面だ。

 あのような生徒発言があったのなら、「これですべてかな?」と、生徒をゆさぶる言葉かけをするといいのに。きっと、この事例しかないことを論理的に述べる生徒がいるはずだ。ああ残念。
 
 授業者は、単に問題を解くことができる生徒になればよいと思っているのではないか?授業を通して、生徒の数学的な資質・能力を育てることを忘れているのではないか?と心配になる場面にも出会います。この場面こそ教師の出番で、「もっと簡単にできないかな?」と言葉かけをして、学級全体の思考を高次に向かうよう仕向けるときだ、などと思うことがあるのです。
 
 自分が現役の授業者であったときには、上記のことができていたように書きましたが、けっしてそのようなことはありません。先輩や同僚から指摘を受けたり、自分が意図的に発した言葉への生徒の反応から体験的に学んだりしてきました。

 授業の指導助言者として、関わらせていただいている方には、私の知見を直接伝えていますが、皆さんの納得度が高いこともあって、広く皆さんに伝える機会があればと願っていました。
 
 こうしたとき、明治図書の矢口郁雄さんから、「生徒の思考を活性化する問いや価値づけの言葉を場面ごとにまとめた本を出しませんか」と、お声掛けいただきました。矢口さんには、「スペシャリスト直伝!中学校数学授業成功の極意」をはじめ、数学授業教育書を何冊も世に出していただいています。こうしたことを踏まえてのことでしょう。「集大成としての1冊をぜひ!」とのメッセージにも励まされ、皆さんにこうして手に取っていただける素敵な書籍を発刊することができました。
 
 「数学授業で使えるキーフレーズの目的と価値」の章では、本書で示した100のキーフレーズ以外にもオリジナル溢れるあなただけのキーフレーズを生み出すコツも示しました。本書を読んでいただければ、これまで以上に生徒が課題にのめりこみ、熱気あふれる数学授業となると思います。いつも手元において活用していただければと思います。

拙著から紹介【中学校学級開き大事典】(明治図書)

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 これから時々、拙著・編著の書籍から、自分の原稿の一部を紹介します。まずは、「スタートダッシュ大成功!中学校学級開き大事典」の第1章のごく一部です。

1 笑顔の教師であること
 「人は見た目が9割」(竹内一郎著)という書籍があります。大ヒットし、続編が出されました。そのタイトルは「やっぱり見た目が9割」です。つまり、第一印象は見た目で決まるということです。

 生徒の気持ちになってみると、新しい担任の先生が無表情であったり、声に明るさがなかったりしたらどうでしょう。先生の第一印象だけで、新年度が始まった途端、暗い気持ちになる生徒がいるのではないでしょうか。

 それまでの自分がどうであっても、学級開きの初日は、にこにこ顔の教師であることを意識しましょう。生徒から、「先生、無理して笑っているんじゃないの」と言われるくらいでいいのです。「いやあ、新しい学級が始まると思うと、つい嬉しくなるんだよ」などと、返答すればいいのです。生徒が「新しい学級でも頑張ろう」と思えるように、教師は笑顔で初日を迎えましょう。

2 はきはきした語り口

 「伝え方が9割」(佐々木圭一著)という本もあります。この本もヒットしました。売れるということは、多くの人が伝え方に関心があり、伝え方が大切だと思っているということです。確かに伝え方ひとつで、相手へ伝わる量がかなり違ってきます。その人の印象も変わってきます。

 学級開きの日、生徒の担任への関心は言うまでもなく高く、担任がどのようなことをどのように言うのかを注目しています。その際に、はっきりしない不明瞭な話し方で、伝わらない話をしたら、見た目の好感度が高くても、一気に評価は低下することでしょう。はきはきした語り口は、気持ちを高揚させます。テレビに登場する人で言えば、松岡修造さんのような明瞭さを心がけましょう。

2023年3月15日学位記授与で

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 玉置ゼミ7期生一人一人と最後の写真を撮ってもらいました。宝物が増えました。
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