ワークシートは私の宝物(長谷川)

 こんにちは!玉置ゼミ9期生の長谷川理桜です。小学校の教育実習も残りわずかとなりました。実習を行う中でとても嬉しい出来事があったので記事にしていきたいと思います。


 私が実習で入らせて頂いているクラスには自分の意見を書くことが苦手な児童A君がいます。自分の意見を口に出して周囲の児童と交流することは苦手としていないのですが、どうしても書くことが苦手な様子が多くの授業を観察する中で見られます。


 本日私は道徳の授業を行いました。授業では自分の意見や振り返りを書くためのワークシートを1人1人に配布しました。発問をした後に机間巡視をする中で、A君の机には何も書かれていないワークシートが置かれています。普段A君と関わるなかで教師を困らせるために白紙にしているわけではないということは分かっていました。わざと書いていないわけではないA君に対してどのような声かけをすればいいのか分からず「自分の思ったことを自由に書けばいいからね!」と普段から先生方が仰っている言葉を咄嗟にかけてしまいました。


 A君のワークシートが埋まることなく、授業は終わりの挨拶をする時間になりました。A君が何か書こうとペンを持ち格闘している中で私は「授業を終わります。挨拶お願いします。」と全体に声を掛けました。授業後すぐに他のクラスへ行く用事があった私はA君に対して「給食の時間には戻ってくるから書けたらその時にワークシートください。」と伝え教室を出ました。


 教室へ戻るとA君が私の姿を見ると何かを思い出したかのように急いでお道具箱から1枚の紙を出しました。そこにはA君の言葉が紙一面に書かれたワークシートがありました。
 私は言葉では表すことのできない嬉しく温かい気持ちに包まれました。同時にA君が一生懸命何を書こうかと考えている中で、何も声をかけることなく授業を終わらせてしまったことをとても悔やみました。


 このワークシートは私の宝物です。児童一人一人の行動や言動をよく観察し、行為の意味を理解できるような教師になりたいと強く思いました。
 実習を通じて「やっぱり将来教師になりたい。」と思う場面が多くあります。周囲の環境や先生方の手厚く丁寧な指導に感謝し、残りの実習期間過ごしていきたいと思います。(長谷川)

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